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1.設立の背景と目的
我が国では地震や豪雨,火山噴火など様々な地変が発生し,それに伴って地すべり・斜面崩壊などの土砂災害なども毎年の様に発生し,甚大な被害をもたらしている。こういった自然災害の発生を予測し,被害の軽減をはかり,そして災害後の迅速な復旧を行なうには地質学的な専門知識や経験の活用は不可欠であると考える。
災害地質研究部会は我が国でおこる地震や斜面災害などの地質災害に対し応用地質学的な調査や研究手法を用いて多くの知見を見いだし,それらを災害の軽減のためにその発生予測や被害軽減方策,復旧活動などに活用することを目指す。社会に貢献することを目的に部会における研究活動や教育活動を進める。またこの研究部会の活動を通じて部会員それぞれがそれぞれの仕事の場において活躍出来る技術的知見や経験を身に付けられることを合わせて図っていきたい。
2.部会で扱う研究対象
(1).土砂災害(地すべり・斜面崩壊・土石流・落石岩盤崩落等)
(2).地震災害(液状化・活断層・津波等)
(3).火山災害(噴火・火砕流など)
(4).水害(洪水・氾濫・河岸侵食)
3.活動内容
平常時:地質災害の発生に関する地質的要因や背景などに関して応用地質学的観点からの研究活動を行ない,教育・普及活動にも努める。それに向けて各委員による災害調査等に関する話題提供などを通じて知見の交流を図り研究活動を進める。また想定外の地質災害にも対処できるように低頻度巨大災害に関する知見についての普及を図る。過去の地質災害に関する情報や調査結果などの集積を図り,将来は地質帯ごとに発生が想定される地質災害について分かりやすい分類表やマップの作成などを目指す。
研究部会としての共通の責務である,研究・教育・行事の開催等に可能な範囲で貢献する。
年に1回程度,過去の地質災害の発生場所を対象にした見学会の開催を行なう。
災害発生時:国内外で地質災害が発生した際には,学会本部・支部と連携して災害情報の収集や現地調査に機動的に取り組む。状況によっては他学会や他学会の支部などとの連携を図る。そのためにも平時において災害発生時の対応に関するガイドラインの策定などの準備を進めておく。必要に応じてレポートの作成(Webサイト等)やシンポジウムを開催する。
4.当面の活動方針
・研究部会は年に数回程度開催する。
・災害発生時には情報収集に務め,発生地域の支部の協力も得て災害調査等を行なう。
・過去の災害地などを対象とした現地巡険を支部と共同で開催する。
・他部会や研究小委員会の協力を得てシンポジウムを開催する。
・過去の災害資料を幅広く収集し,災害発生時に備える。
稲垣 秀輝(環境地質)
千田 敬二(八州)
西村 智博(国際航業),古木 宏和(日本工営),下村 博之(パスコ),安藤 伸(応用地質),佐藤 昌人(防災科研),金山 健太郎(大日本ダイヤコンサルタント),末武 晋一(日本工営),屋木 健司(アジア航測),田近 淳(ジオテック),倉橋 稔幸(寒地土研),大津 滉介(ドーコン),高見 智之(国際航業),堀松 崇(興和),加藤 靖郎(川崎地質),篠田 繁幸(国際航業),塚本 崚一(アジア航測),松澤 真(京都大学),西山 賢一(徳島大学),加藤 弘徳(荒谷建設コンサルタント),池見 洋明(日本文理大学),梅ア 基考(アバンス)
戸邊 勇人(鹿島建設),黒川 将(国土防災技術),平田 康人(電力中央研究所),小林 浩(パスコ),北川 博也(大日本ダイヤコンサルタント),小野寺 正勝(応用地質),井原 拓二(応用地質),野池 耕平(JR東日本),花川 和宏(アサノ大成基礎エンジニアリング),菊地 輝行(諏訪東京理科大学),橋本 修一(東北開発コンサルタント),村上 智昭(復建技術コンサルタント),佐藤 壽則(日さく),永田 秀尚(風水土),阿部 大志(日本工営),北田 奈緒子(地域地盤環境研究所),佐藤 達樹(国土防災技術),石井 岳男(いしいジオ),山崎 新太郎(京都大学),野々村 敦子(香川大学),木村 一成(ケイジオ),井原 伸浩(アジア航測)
千木良 雅弘(深田地質研究所),井口 隆(防災科学技術研究所),上野 将司(応用地質)
国土地理院は,私たちの先人が後世に遺した自然災害伝承碑の地形図への掲載を始めています。災害地質研究部会でも,気象条件や地形・地質条件の複雑な我が国にあって,地域性を有する自然災害への「災害碑から学ぶ地域災害」としての事例研究を進めています。自然災害伝承碑による地域災害への応用地質的対応やアウトリーチとして,研究成果を発信していく予定です。
【調査票の例】
令和6年度日本応用地質学会研究発表会において,国土地理院等で活動された川ア茂信氏(一般財団法人 国土技術研究センター・元国土地理院長)を招聘し,自然災害伝承碑に関する特別セッションを開催しました。
1.セッション:「自然災害伝承碑から解き明かす地域災害」
2.日時:2024年10月10日(木)15:50〜17:35
3.講演・発表:下記4題
◆川ア 茂信(2024):自然災害伝承碑プロジェクトの第2ステージへの期待
◆千田 敬二・下村 博之(2024):部会の自然災害伝承碑の活動報告
◆梅ア 基考・九州災害碑WG(2024):九州支部での自然災害伝承碑の活動報告
◆倉橋 稔幸・北海道自然災害史研究WG(2024):北海道支部での自然災害伝承碑の活動報告
一般の方々に土砂災害・地質災害を理解してもらうことを目的として,「みんなが知りたいシリーズ17『土砂災害の疑問55』」を2022年6月に成山堂書店から出版しました。
「みんなが知りたいシリーズ17『土砂災害の疑問55』」出版を記念し講演会を開催しました。
1.日時:2022年6月24日(金)13:00〜17:00
2.方法:Web(Zoom会議方式)開催
【詳細はこちら】
技術伝承、中堅・若手技術者を対象とした地質調査・解析技術の向上を目的として実践講座を開催しました。
第1回(座学):2021年7月1日(木)〜7月2日(金) 【講義内容】
第2回(座学):2021年9月23日(木)〜9月24日(金) 【講義内容】
第3回(座学):2021年10月21日(木)〜10月22日(金) 【講義内容】
日本応用地質学会の元会長の千木良雅弘氏(深田地質研究所理事長:京都大学名誉教授(防災研究所))による特別講演を次のとおり開催しました。
1.講演内容:「近年の地質災害から学んだこと」
2.日時:2021年4月16日(金)16:00〜17:00
3.参加費:無料
4.方法:Web(Zoom会議方式)開催
【詳細はこちら】
(1)井口 隆(2019):連載を始めるにあたって.Vol.59,No.6.
(2)永田 秀尚(2019):災害とは.Vol.59,No.6.
(3)高見 智之(2019):類似の地形地質条件下では類似の災害が起きる.Vol.60,No.1.
(4)高見 智之(2019):やや不自然な自然災害.Vol.60,No.1.
(5)田近 淳(2019):地すべり.Vol.60,No.2.
(6)田近 淳(2019):津波と津波堆積物.Vol.60,No.2.
(7)橋本 修一(2019):慶長会津の地震(1611年)と災害碑.Vol.60,No.3.
(8)金 秀俊(2019):最近の北海道の豪雨や豪雪による土砂災害事例.Vol.60,No.3.
(9)池見 洋明(2019):リモートセンシングで見る災害.Vol.60,No.4.
(10)末武 晋一(2019):災害時の初動調査.Vol.60,No.4.
(11)松澤 真(2019):住民参加型の土砂災害ハザードマップの作り方.Vol.60,No.5.
(12)田村 浩行(2019):災害復旧の考え方.Vol.60,No.5.
(13)永田 秀尚(2020):崩壊.Vol.60,No.6.
(14)稲垣 秀輝(2020):土石流.Vol.60,No.6.
(15)西村 智博(2020):海外の災害事例 −ブラジル編−.Vol.61,No.1.
(16)下村 博之(2020):ハザードマップの作り方と利用方法.Vol.61,No.1.
(17)加藤 靖郎(2020):地震による斜面災害.Vol.61,No.2.
(18)平田 康人(2020):災害原因となる花崗岩類の風化形態の知識.Vol.61,No.2.
(19)永田 秀尚(2020):災害地名.Vol.61,No.3.
(20)稲垣 秀輝(2020):火山噴火災害.Vol.61,No.3.
(21)井口 隆(2020):やや不自然な自然災害(その2)と失敗学への展開.Vol.61,No.4.
(22)稲垣 秀輝(2020):融雪土砂災害.Vol.61,No.4.
(23)上野 将司(2020):災害伝承としての石碑等について.Vol.61,No.5.
(24)稲垣 秀輝(2020):連載をおわるにあたって.Vol.61,No.5.
2024年度 第4回部会(2024年10月)
2024年度 第3回部会(2024年8月) 【議事要旨】
2024年度 第2回部会(2024年6月) 【議事要旨】
2024年度 濃尾平野の水害の歴史巡検 (2024年5月) 【報告概要】
2024年度 第1回部会(2024年4月) 【議事要旨】
2023年度 第6回部会(2024年2月) 【議事要旨】
2023年度 第5回部会(2023年12月) 【議事要旨】
2023年度 第4回部会(2023年10月) 【議事要旨】
2023年度 第3回部会(2023年8月) 【議事要旨】
2023年度 第2回部会(2023年6月) 【議事要旨】
2023年度 第1回部会(2023年4月) 【議事要旨】
2022年度 第6回部会(2023年2月) 【議事要旨】
2022年度 第5回部会(2022年12月) 【議事要旨】
2022年度 第4回部会(2022年10月) 【議事要旨】
2022年度 第3回部会(2022年8月) 【議事要旨】
2022年度 第2回部会(2022年6月) 【議事要旨】
2022年度 九州巡検 (2022年5月)
2022年度 第1回部会(2022年4月) 【議事要旨】
2021年度 第6回部会(2022年2月) 【議事要旨】
2021年度 第5回部会(2021年12月) 【議事要旨】
2021年度 第4回部会(2021年10月) 【議事要旨】
2021年度 第3回部会(2021年8月) 【議事要旨】
2021年度 第2回部会(2021年6月) 【議事要旨】
2021年度 千木良雅弘氏特別講演 (2021年4月)
2021年度 第1回部会(2021年4月) 【議事要旨】
2020年度 第6回部会(2021年2月) 【議事要旨】
2020年度 2019年台風19号(令和元年東日本台風)等災害調査団報告会(2021年1月)
2020年度 第5回部会(2020年12月) 【議事要旨】
2020年度 第4回部会(2020年10月) 【議事要旨】
2020年度 令和2年7月九州豪雨災害調査実施 (2020年9月) 【令和2年7月九州豪雨災害調査団】
2020年度 第3回部会(2020年8月) 【議事要旨】
2020年度 第2回部会(2020年7月) 【議事要旨】
2020年度 第1回部会(2020年4月) 【議事要旨】
2019年度 第6回部会(2020年2月) 【議事要旨】
2019年度 第5回部会(2019年12月) 【議事要旨】
2019年度 台風19号等災害調査実施 (2019年10月〜) 【2019年台風19号等災害調査団】
2019年度 第4回部会(2019年10月) 【議事要旨】
2019年度 第3回部会(2019年8月) 【議事要旨】
2019年度 第2回部会(2019年6月) 【議事要旨】
2019年度 シンポジウム(2019年6月)
2019年度 四国巡検 (2019年6月)
2019年度 第1回部会(2019年4月) 【議事要旨】
2018年度 第6回部会(2019年2月)
2018年度 第5回部会(2018年12月)
2018年度 第4回部会(2018年10月)
2018年度 第3回部会(2018年8月)
2018年度 コア観察会(2018年6月)
2018年度 第2回部会(2018年6月)
2018年度 第1回部会(2018年4月)
2014年度 岩手・宮城巡検(2014年10月)
2014年度 第2回部会(2014年7月)
2014年度 第1回部会(2014年5月)
2013年度 第4回部会(2013年11月)
2013年度 南紀巡検(応用地形部会と合同)(2013年10月)
2013年度 第3回部会(2013年9月)
2013年度 第2回部会(2013年6月)
2013年度 第1回部会(2013年4月)
2012年度 第2回部会(2013年2月)
2012年度 第1回部会(2012年12月)