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JABEE 日本技術者教育認定制度

学会名鑑

お知らせ

平成16年度 JABEE 地球・資源および関連分野 2プログラムが認定されました。

  • 国立大学法人山口大学理学部化学・地球科学科 地球科学コース
  • 大阪市立大学理学部地球学科地球システムコース

地球・資源および関連分野でJABEE認定を受けた場合、技術士補の登録は応用理学部門あるいは資源工学部門にできます。  昨年、技術士補の登録は資源工学部門のみ可といった形にいったんなりましたが、その後上述のように変更されています。


既往のJABEE 地球・資源および関連分野の認定プログラムは次の通りです。

  • 北海道大学工学部資源工学科 英文プログラム名: Resources Engineering (2003−)
  • 日本大学文理学部地球システム科学科 英文プログラム名: Geosystem Science & Engineering(2003−)
  • 東京都立大学理学部地理学科 英文プログラム名: Geographical Engineering(2003−)
  • 島根大学総合理工学部地球資源環境学科 英文プログラム名: Geoscience and Geoengineering(2003−)

構成メンバー(平成22年度)

委員長

原口 強(大阪市立大学)

副委員長

須藤 宏(応用地質)

委員

岩尾雄四郎(佐賀大学)、太田保(復建技術ココンサルタント)、釜井俊孝(京都大学)、桑原啓三(国土技術研究センター)、佐々木和彦(応用地質)、清水公二(ニュージェック)、武田和久(開発設計コンサルタント)、田中和広(山口大学)、千木良雅弘(京都大学)、徳永朋祥(東京大学)、水口和彦(アイドールエンジニヤリング)、横田修一郎(島根大学)

委員会の目的

技術者教育委員会の活動は、高等教育における地質技術者の教育向上のため、それに関わる国内外の状況を調査して把握して理解を普及すること、産業界における地質技術者教育に対する要望を把握して理解を普及すること,さらに,技術者教育プログラムの認定機構であるJABEEの認定活動に積極的に参加して協力することを目的としている。

委員会活動の経緯

技術者の国際的流動化と多国間相互承認をめざして,技術者の同等性を教育で担保することを目的に1999年11月に日本技術者教育認定機構(JABEE)が設立された。このJABEE設立の急速な流れに対処すべく、日本応用地質学会では,同年に地質工学関連の技術者資格に関する連絡協議会を地盤工学会、全国地質調査業協会連合会とともに設置し,意見交換を行った。3者協議会ではJABEEへの地盤工学分野の提案も議論されたが,大学の学科で地盤工学を教育しているのはほとんど土木工学科あるいは旧土木工学科であること,また,JABEEの分野にはいちはやく土木分野がたちあげられていたことから、地盤工学会が地盤工学分野を提案することには無理があり、見送られた。

その後、2000年3月29日に特別委員会としての本委員会(発足時の名称は技術者教育カリキュラム検討委員会)が設立された。本委員会は、急速に展開しつつあるJABEEの分野として地質工学分野を設定すべく,全地連および、ほぼ時を同じくして発足した日本地質学会,日本地下水学会の技術者教育に関する委員会と議論を重ねた。

応用地質学会では,特に,産業界の要望のとりまとめ,技術士会の動向,諸外国の技術者教育認定の基準や認定プログラムに関する議論,我が国での基準のありかたなどが議論された.地質学会では,委員会のメンバーが大学教員が多いこともあり,現状での大学のカリキュラムや卒業生の動向の調査をふまえた今後の技術者教育のあり方などが議論された.地下水学会では,会員が色々な分野にまたがっているが,地下水の基本は地球であり,地質工学と密接に連係して行くべきであるとの認識が確認された.3学会で密接に意見交換を行いながら,また,全国地質調査業協会連合会の意見をとりいれながら作業を進め,最終的に7月に「地質工学および関連分野」の最終案を完成し,JABEEに提案した.しかしながら,この提案は,提案内容に先行の資源および関連分野や土木と類似したキーワードを含むとして受け入れられず,これらの分野と調整するよう求められた.その後,2001年1月に,地質工学分野提案3学会のJABEE関連委員会の委員長が資源・素材学会の資源系技術者資格問題と技術者教育問題に関する調査研究委員会(資源・素材学会)に応用地質,地質,地下水の各学会から委員が出席し,討論の結果,資源関連分野と地質工学関連分野の融合について合意に至った。そして,同年5月に,旧「資源および関連分野」は名称を「地球・資源および関連分野」に変更し、現在に至っている。

技術者教育委員会では,その目的に沿って,産業界からの地質技術者教育への要望の調査,国外での地質技術者資格および技術者教育認定に関する調査,それらに基づく討論などを実施し、また、JABEEの地球・資源および関連分野における教育プログラム認定に協力してきた。

活動報告

平成16年度の活動

1)JABEE地球・資源および関連分野の活動への協力 本年度は、JABEE地球・資源分野で二プログラムが認定された.その審査に協力した.また,JABEE認定・審査調整委員およびJABEE認定委員に千木良委員長が就任した。
12月5日には、JABEEデザインシンポジウムに参加し、地球・資源におけるデザイン,特に理学系におけるデザインについて討論と報告を行った。ワシントンアコード加盟国ではデザイン教育をもってエンジニアリング教育の集大成とするところが多く,その充実に強い要望が寄せられている。今後JABEEの認定を受けるプログラムにはデザイン教育が強く求められることになる。

平成15年度の活動

1)JABEE 地球・資源および関連分野の審査への協力 本年度は,JABEE 地球・資源分野で複数プログラムが審査を受けた.JABEE の認定基準では,今年から教育プログラム側の設定目標の具体的記述が特に求められている.また,JABEE ではデザイン能力の養成のあり方が議論されている。(16年度に入ってから、最終的に次の4プログラムが認定された)

  • 島根大学総合理工学部 地球資源環境学科
  • 北海道大学工学部資源開発工学科
  • 東京都立大学理学部地理学科
  • 日本大学文理学部地球システム科学科

2)諸外国における地質技術者教育の実態調査とわが国におけるあり方のシンポジウム開催
地質科学総合研究連絡委員会,地質学研究連絡委員会,資源開発工学研究連絡委員会,日本地質学会、日本地下水学会,資源・素材学会と主催した。
  日時:2003 年12 月25 日(木) 10:00-5:30
  場所:日本学術会議
  参加者:50 名以上

欧米諸国の現状調査の結果,調査対象国としたすべての国で(米、加、英、豪)、ProfessionalEngineer あるいはその相当資格に対応する資格としてProfessional Geologist あるいはその相当資格を有していることと,これらの資格の相互認定に向けた動きが加速していることが明らかになった。わが国でもJABEE 対応だけでなく,こちらの動きにも注目していく必要がある。

関連著作

  • 千木良雅弘(2002) 技術者教育認定と地質工学.地質と調査、91 号,8-12.
  • 千木良雅弘(2004)地質科学と地質技術者−欧米諸国の現状 −地質科学総合研究連絡委員会環境地質学専門委員会の活動から−.学術の動向、7、76―77.