日本応用地質学会東北支部 JSEG TOHOKU
 

令和2年7月22日(水)
令和2年度 日本応用地質学会東北支部
第27回研究発表会  当日の様子
 去る7月22日(水)に第27回支部研究発表会が終了しました。本年度は新型コロナ感染症の拡がりにより、5月の支部総会を書面議決としました。そのため、今回の研究発表会が本年度支部活動の実質的スタートとなりました。
 研究発表会はせんだいメディアテーク7F スタジオシアターにてAM10:00から定刻通り開会しました。以下に当日の様子を簡単にまとめました。
 事前登録制での開催となりましたが、参加者は53名と例年と同程度となりました。
 また、会場で受付の際に検温・消毒を実施したほか、会場内では席の間隔をあけるなど新型コロナ感染症対策を行いました。さらに、各発表の合間には会場内の換気をする時間を設けました。ご協力感謝いたします。

開会の挨拶(遠田支部長) 

受付の様子。新型コロナ感染症対策を実施し万全を期しました。
1.午前の部(座長:村上幹事、副座長:三和幹事)
 午前の部は若手枠2編と一般枠の発表2編の計4編の発表がありました。 若手枠では、古地理の復元に関する純粋な地質学的な発表、および模型実験による断層発達過程に関する研究の発表でした。
 一般の2編は、昨年の研究発表会で注目された、地下空間貯留水(低温水)に関する発表でした。過年度の室内実験結果からさらに進んで、実験に基づいたシミュレーションによるモデル化、実際の貯留水での実証実験結果についての内容でした。 貯留水の利活用に関する今後の方針や具体的な問題点なども見えてきたように思います。

 

 
2.午後の部1(座長:橋本(智)幹事、副座長:磯幹事)
 午後の部1はシニア枠1編と一般枠1編の計2編です。仙台西部~西南部の地質に関する発表と、熊本地震の調査からみた活断層評価に関する発表でした。 熊本地震の発生から4年が経過し、その間に実施された調査結果から断層の評価や課題を述べていました。

   
3.令和元年東日本台風災害(台風19号)特別セッション(座長:杉山幹事、副座長:鳥越幹事)
 昨年日本各地に甚大な災害を発生させた台風19号関連の発表を特別セッションとしてまとめました。宮城県丸森町の災害に関する発表2編と、福島県いわき市での斜面災害の発表1編の計3編です。
 今年も九州地方での梅雨前線による豪雨災害があるなど、昨今の異常な雨の降り方や斜面災害が注目されています。そんな中、具体的な災害の事例や、地質と地形の関係などを知ることができました。災害の要因が、雨の降り方の異常さなのか、地質・地形なのか、さらには人工構造物が素因となるのか、多方面から考察する必要がありそうです。

 
4.午後の部2 (座長:秋山副支部長、副座長:鳥越幹事)
 午後の部2は、話題提供ということで2編の発表を行いました。
 1つは現在東北支部で実施している地震防災ワーキング「長町-利府断層帯のストリップマップの作成」について進展状況等の中間報告と、今後の方針についての発表でした。1/10,000程度(A0サイズ)の図面作成や、ドローン写真の添付、ウェブを活用した情報発信などを予定しているとのことです。
 2つ目は、活断層と活火山との関係について、長野県岐阜県境の群発地震を例にした発表でした。震源の深さの分布や地質状況(火山、花崗岩の分布など)、地質断層の分布など多角的に考察した内容でした。
 
5.総合討論 (座長:秋山副支部長、副座長:鳥越幹事)
 すべての発表の終了後には総合討論として、本日の発表内容に関する質問や意見を出し合い討論を深めました。
6.意見交換会
 研究発表会終了後は、場所をスマイルホテル内のシュルブール仙台店に移動し意見交換会を行いました(参加者19名)。ここでも、ソーシャルディスタンスに気を付けつつ、交流を深めました。最後に村上幹事による「伊達の一本締め」で会を締めました。
 

リンク  日本応用地質学会本部北海道支部中部支部北陸支部関西支部中国四国支部九州支部