平成24年度 第20回研究発表会
当日のレポート
平成24年7月20日

一般社団法人 日本応用地質学会 東北支部

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 去る平成24年7月20日(金)に日本応用地質学会東北支部 第20回研究発表会が行われました。
 7月下旬としては肌寒い外に比して、熱のこもった発表が行われました。
 1.研究発表(午前の部1、午前の部2、午後の部の3部構成) 
 研究発表会は、参加総数55名と多くの参加者に恵まれ、午前と午後に分けて10編の発表がありました。発表プログラムの詳細に関しては、こちらを参照ください。

 今年の研究発表会では、間口をできるだけ広くする主旨で、若手&シニア枠を設け、”午前の部1”で4件の発表をしていただきました。発表テーマは主に卒業研究などを発表していただきました。実務や調査などには直接関連したものだけではなかったのですが、月の磁場の研究からボーリングコアの観察手法など内容が新鮮かつ多岐にわたり、非常に興味深く聞くことができたのではないかと思います。今回は若手だけの発表となりましたが、次回以降、シニアのかたにも経験談や事例紹介・今だから話せる失敗談などを発表していただけるとさらに活発な議論が展開できるのではないかと思います。

 ”午後の部2”、”午後の部”では、震災に関連した発表や最新技術の紹介、事例紹介などの発表がありました。こちらも、定方位コアリング手法の紹介、2011年4月11日の断層露頭の観察結果、3.11災害の斜面崩壊事例の紹介、花崗岩の変形に関する研究、盛土地盤崩壊事例、廃坑をはじめとする「陥没」に関する研究など、様々な発表があり、充実した時間を過ごすことができたと思います。


 
  開会のあいさつをする橋本支部長






  2.特別講演 (PM1:30〜2:45)
    「なぜ3.11大地震による斜面被害が集中したか
     ‐仙台市内の宅地と松島湾等の事例‐」
    千葉 則行 氏
   (東北工業大学大学院教授(地盤工学)・日本地すべり学会東北支部長)

 特別講演は、東北工業大学大学院教授の千葉則行氏(地すべり学会東北支部支部長)に講演していただきました。
 千葉先生の主要な研究テーマである「斜面災害の地形・地質的発生要因」についての研究成果と知見を踏まえて、3.11の斜面災害の特徴を講演していただきました。
 (社)日本地すべり学会で実施した「斜面変動の実態把握と特徴の類型化」のなかで、千葉先生らが担当したj宮城県内の斜面変動災害、特に松島湾及び仙台市内の丘陵斜面での被災の特徴等について、多くの事例を紹介していただきました。地層別の斜面災害発生状況や、地形(斜面の向きや傾斜)による崩壊の特徴など3.11地震により発生した斜面災害の規模や特徴をお話いただきました。
 また、仙台市内の宅地盛土斜面の災害や福島県内の斜面災害について触れ、事例をご紹介いただきました。


  3.総合討論会 (PM4:00〜4:30)

 研究発表終了後の総合討論会では、地震災害研究ワーキンググループ(WG)の構想と意義について討論いたしました。
 はじめに小林代表幹事により地震災害WGの概要と主旨について説明をしていただき、それについて会場の参加者から意見を頂きました。
 冒険広場(ぼうひろ)の調査計画・手法案およびその意義について、多くの貴重なご意見をいただくことができました。
 ここで、議論した内容を踏まえ役員会等でさらに検討を重ねこのWGを具体化させていくこと、また、その内容については、当支部のウェブページなどで公表していくこととしました。

  4.懇親会 (PM5:00〜)
 研究発表会終了後には、場所を移動し懇親会を行いました(参加26名)。若手枠の発表者も3名参加し、議論の続きをするなど交流を深めました。会の最後は、もはや恒例となった「伊達の1本締め」で締めました。