支部長あいさつ

　令和 3 年 5 月より支部長を務めております岐阜大学の大谷です。
中部支部に所属している応用地質学会の会員のみなさまの希望や要望をくみ取りながら、中部支部ならではの活動やこの地域における応用地質学の地位向上に努めて参りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

　さて、応用地質学は純粋学問としての地質学を社会に還元すべく応用することを目指す分野です。一見わかりやすいような気もしますが、一方でいかにして地質学を応用すればよいのか、また応用地質学の立場からいかにして社会をよりよいものにすべきか、私自身、いろいろと考え、ときには迷いながら、日々、学生たちと接したり、研究活動を進めております。

　地質学の特徴のひとつとして、取り扱うタイムスケールが長いことが挙げられます。これは、人の一生に比べるとはるかに長く、一見すると人間社会とかけ離れた時間を取り扱うような分野のようにも見えます。しかしながら、自然災害、中でも低頻度の自然災害や、環境問題を考えるために、人の一生をはるかに越えるような期間の変動やその間に生じたできごとを理解した上で、直面した問題に取り組む姿勢の重要性が近年、増してきているように感じています。温故知新、故きを温ねて新しきを知る、と言いますように、人類が今後1千年、さらには1万年と繁栄を続けるために何が必要なのか、そのためにはどのような社会を目指せばよいのか、その答えは地層や岩石の中に隠されているはずであり、それを読み取ることができるのが私たちであるはずです。

　応用地質学会は地層や岩石から過去の情報を読み解き、それだけでなく、そこから現代社会の進むべき道を見つけることができる技術者集団です。個々人ができることには限りがありますが、技術者集団として活動をすることにより、よりよい社会を作ることに貢献していきたいと思います。

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事務局

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代表幹事　　石井　順一