平成27年度 現地研修会のフォロー
大黒天駐車場近くの大露頭観察

事前調査実施日 平成27年9月19日(土)

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 平成27年度東北支部現研修会が無事終了いたしました(当日の状況ははこちらのPDF)。伴先生と別れた後に宮城県側に移動し、大黒天そして駒草平にて大露頭の観察を行いましたが、当日はあいにくの天気のため大黒天からの大露頭を満喫することができませんでした。そこで、当日のフォローとして9月19日に実施した下見の写真をコメントともにアップいたします。


 担当幹事による下見(9月19日)では、大黒天駐車場から刈田岳への登山道を360mほど進んだ地点から、以下の観察ができました。
 今回はガスで見えませんでしたが、各人、都合の良い機会に、火山地質図を片手に、以下の眺望をお楽しみください。


写真1


 大きく刻まれた濁川の左岸は、熱変質で白くなった古い安山岩類(25万年前)に黒褐色の新しい火砕物(3万年前以降)が載ります(詳細は2)。右岸には駒草平火砕岩類(3万年)が観察されます。
 アグロメレートかアルグチネートか、・・・今回得られた知見を基に、皆様、お確かめください。

 
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写真2(写真1の拡大)

 古い溶岩類(100万年、25万年)の上位にアバットする火砕物です。
古い地形なりにマントルベッディングしている様子が鮮明に観察できます。

 
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写真3


 濁川右岸側の上流を望むと、こんな地質断面が見られます。山腹斜面の白く変質した岩盤中に、谷側が下がる高角度の断層が見られます。黒い平行成層の上部はやや開口しているようにも見え、重力性の正断層と思われます。
 断層と斜面を黒褐色の火砕物が覆っていますが、単なるアバットか、火砕物も
変位を受けているか不明です。
 もっと天気のよい時に、双眼鏡で観察したいところです。

 
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写真4


 東方を望むと、濁川の断崖上に、駒草平火砕岩類からなる台地が広がります。左手に遊歩道と展望台、右手に大黒天の駐車場が見えます。また、条件が良いと、はるか東方には仙台平野、太平洋、金華山まで望めます。
 なお、天気がよくなくても、登山ルート沿いの露岩で、火砕岩類の堆積状況、構成物の違いを確かめることができます。

 
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以 上
       
(写真およびコメント:橋本 修一)