平成26年度 支部総会および特別講演・討論会
当日の様子(レポート)
平成26年5月16日(金)

一般社団法人 日本応用地質学会 東北支部

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    日本応用地質学会東北支部の平成26年度総会・特別講演会が無事終了いたしました。
   本年度の活動計画等が承認され、新たな年度のスタートを切ることができました。
    本年度は、支部長をはじめ役員人事が大きく変更されました。。

    せんだいメディアテーク7F スタジオシアターにてPM1:30から定刻通り開始されました。

    以下は当日の簡単なレポートです。
 1.総会 (PM1:30〜2:00) 

 総会は名の出席数(参加人数:33名、委任状:64名)となり、「日本応用地質学会東北支部規定」第15条の正会員(支部会員数181名[平成26年3月末日現在])の5分の1以上の出席となり、無事会が成立いたしました。
 また、後述する特別講演および討論会には44名の参加がありました。

 平成25年度活動報告ならびに会計報告、平成26年度活動計画および予算案、役員人事案が可決されました。
 

    
      退任された橋本前支部長              本年度総会で承認された高見新支部長の挨拶

  2.特別講演 (PM2:15〜3:45)
    「応用地質学の立場でみた岩盤の風化過程と斜面の構造」
    横田 修一郎 氏 (関西支部・島根大学名誉教授)

 日頃我々が直面する岩盤について、風化・劣化過程とそれに影響する環境を考察するご講演でした。花崗岩の掘削現場(ダムなど)の事例を交え、岩盤分布の推定に関して、少ないデータからより精度の高いものを得るためには、狭い範囲の岩盤そのものの情報だけでなく、広域な風化の進行に対する情報把握が必要であると述べられました。

 個別の岩盤の風化・劣化機構については、節理性岩盤の検討例を挙げ、各地点での固有の岩盤分布の規則性(風化区分などの)を見出すことが重要であるとしました。

 また、これらのことを踏まえ、”岩盤”で構成される斜面の不安定化についても言及し、シラス斜面の不安定化およびその周期性、柱状節理斜面のトップリング事例、塩類風化によるタフォニの事例などを説明されました。

 これらの事案を考えるとき、風化・劣化の進行過程を支配する環境、そしてそれぞれの場所における浸食・堆積等の物理プロセスとを総合した”地質プロセス(geological process)”を考えることが必要であるとまとめられました。

 災害予知を考える時も、豪雨や地震のような”誘因”だけでなく、長いタイムスパンである素因(まさに風化・劣化過程など)考慮する必要があると述べられ、まさにそのとおりであると考えさせられました。そのためには、地質情報を利用・活用できる人材が少ないのではないかとおっしゃられ、人材の育成の必要性を痛感させられました。

  3.討論会 (PM3:45〜4:45)

 討論会は、横田先生のご講演内容を受けて、「風化斜面の崩壊事例及び緩み構造事例」というタイトルで行いました。岩盤の風化・劣化に関する事例紹介をもとに討論会を進めました。

 まずはじめに地震時の道路斜面の崩壊事例を小林氏から、そしてダムの岩盤区分緩み区分事例を畚野氏から紹介いただきました。その後、総合討論として、2つの事例をもとに活断層についての討論を行いました。それぞれの事例について、広域の地形条件や地質の素因や、崩壊や緩みの発生誘因についての議論を中心に終了時間ぎりぎりまで活発な質問や意見が飛びかいました。

    
            話題提供をしていただいた小林氏(左)と畚野氏(右)

     
      討論会の様子
            
  3.懇親会 (PM5:15〜)

 討論会終了後には、スマイルホテル内のシェルブール仙台店に場所を移し、懇親会を行いました。懇親会の出席者は30名と、多くの参加をいただきました。

 討論会での議論の続きや、各会員相互の意見交換が行われました。今年度は、大きく役員体制が変わりましたので、新役員の方のご挨拶があるなど交流を深めました。また、特別講演をしていただいた横田先生も参加されましたので、講演時に聞けなかったことなどを聞けたのではないでしょうか。
 懇親会の最後は、恒例の伊達の1本締めで会を締めました。