日本応用地質学会 東北支部
平成25年度 第21回研究発表会レポート
平成25年7月19日(金)

一般社団法人 日本応用地質学会 東北支部

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    日本応用地質学会東北支部の平成25年度 第21回研究発表会が無事終了いたしました。
   若手枠1つを含む9編の発表と原口氏による特別講演が行われました。
    前日に山形方面で大雨があった影響で、急きょ出席できなかった人もいたようですが、そんな中
   多くの人に集まっていただき、盛況のうちに終了することができました。
      以下は当日の簡単なレポートです。
 
 1.研究発表(午前の部、午後の部) 

 研究発表は、前日の大雨等の影響など忙しい中ご参加をいただき、参加総数 41名でした。

 昨年の発表会に続き、今年も若手枠&シニア枠を設け、1件の応募がありました。昨年に比べ少なかったのですが、今後の研究発表会でも継続して応募し、発表の間口を広げて行きたいと考えます。

 一般発表については、地すべり等に関する発表が3編、断層の活動性に関するもの、試験手法による地質解析の精度向上方法、土壌の放射能汚染の現状、斜面災害の類型化の試み等多岐にわたり、充実した1日となったのではないかと思います。

 発表のプログラムに関してはこちらを参照ください。
 
橋本支部長の挨拶
 
東北支部の地震災害研究WGの
活動報告をする小林代表幹事
 また、東北支部活動として立ち上げたWG(ワーキンググループ)の経過報告も行いました。いろいろな要因から津波堆積WGは終了せざるを得なくなりましたが、今後も東北支部のWGとして、活動を考えており、会員の皆様にご協力いただければ幸いです。  
  2.特別講演 (PM1:30〜3:00)
    「東日本大震災、巨大津波の実像」
  -海底地形・堆積物に残された痕跡および津波を巨大化させた沿岸沈水地形-
    原口 強 氏 (大阪市立大学大学院理学研究科准教授)
 

  大阪市立大学の原口氏に特別講演をして頂きました。原口先生は、東日本大震災直後から津波被害のあった太平洋沿岸地区をくまなく現地踏査され、「東日本大震災 津波詳細地図」上巻・下巻(古今書院)を執筆されています。

 講演の前半では、東日本大震災の地震の概略から、その地震動により引き起こされた津波についてのメカニズムについての解説をしていただきました。
 また、陸上の津波被害の範囲だけでなく、気仙沼湾を中心とた海底調査を実施し、津波によるが海底地形の変化、および海底地形による津波被害(規模)の違いなどについて解説されました。

 講演は津波の動画を交えつつ行われ、改めて津波の恐ろしさを実感するとともに、地形(海底地形を含む)による津波の規模が変化することを知ることができました。 現在、海面より上部の地形は詳細に計測されていますが、海底地形については殆ど調べられていません。気仙沼湾での”天然の防潮堤”による津波の侵入の軽減の例などからも、今後の海底地形の重要性について考えさせられる良い機会だったと思います。

 原口氏の講演資料はこちらからご覧になれます。 →原口氏講演資料(PDF)
 
 特別講演をする原口氏
  特別講演をする原口氏
  3.懇親会 (PM5:00〜7:00) スマイルホテル 3F シェルブール仙台店

  研究発表会終了後には、場所を移して懇親会を行いました(参加人数20名)。本日の発表者を含む20名にご参加いただき、発表会の議論の続きを行うなど交流を深めました。
 また、懇親会には日本応用地質学会本部の総務委員長の野村氏も飛び入り参加し、大いに盛り上がりました。
 締めは恒例の「伊達の一本締め」にてお開きとなりました。


  橋本支部長による「伊達の一本締め」
 
田野先生(元東北支部長)による乾杯の挨拶