【結果報告 その3】 令和2年度(2020)応用地質学講座(阿寺断層巡検)

令和2年の応用地質学講座は,阿寺断層の巡検を行いました。
当日の様子(その3)をお知らせいたします。
(その1)(その2),はそれぞれをクリックしてください.ここでは,当日に見学したうちの岐阜県中津川市「長洞」近くにある断層露頭を紹介します.
なお,この断層露頭については「道家・安江・廣内・國分・松原(2014)岐阜県中津川加子母地区長洞における阿寺断層帯中部の活動時期」に詳細が記されています.
(露頭場所の緯度経度:北緯35°44′26.3″、 東経137°20′48.3″)

いきなりですが,断層露頭の写真です.
写真の右側の白っぽい部分:濃飛流紋岩類(白亜紀~古第三紀初頭:おおよそ7000~5000万年前)
写真の左側の焦げ茶っぽい部分:腐植土(約5000~1000年前)
(写真は,クリックすると拡大します)
断層は,そのズレによって時代の全く違うものを隣同士にさせます.

例えば,岐阜県と富山県の県境付近にある「横山楡原衝上断層」もその1つです.
https://geo-gifu.org/geoland/6_tennenkinenbugtu/tennen_17_yokoyamanirehara_syouzyoudansou.html

断層により,時代を異にする地層が接していたり,新しい地層の上に古い地層があることもあります.
また,断層がずれることにより地震が起きたり,断層面が力学的な弱面になるなど,人間の生活に大きな影響を与えますので,断層位置や活動時期の把握は大変重要になります.

さて,ではこの露頭の周辺地形はどうなっているか?ということで,地形図(北は左上方向))を掲載いたします.
図中の赤い矢印は,前述の「長洞」の断層露頭の位置です.
オレンジ色の矢印は,断層による沢の屈曲を示しています.
(図はクリックで拡大します)

あまり分かりやすくはなりませんでしたが,参考までに鳥瞰図(西から東を見ています)も掲載いたします.

いかがでしょうか?
断層露頭とその周辺地形の紹介でした.