【結果報告 その1】 令和2年度(2020)応用地質学講座(阿寺断層巡検)

令和2年の応用地質学講座は,阿寺断層の巡検を行いました。
当日の様子をお知らせいたします。<概要>
開催日時:令和2年12月4日 (金) 10:00~16:20
場 所:岐阜県 恵那市
講座名:阿寺断層巡検
対 象:地質技術者・土木技術者(初級~上級)
講 師:安江 健一 准教授(富山大学)

午前中は座学を行い,午後からは断層露頭を前に現地で解説して頂きました.
まずは,座学の様子から.

座学は,阿寺断層の概要と午後から見学に行く場所の説明です.

座学の会場として使用させて頂いた「加子母総合事務所」からは,断層地形である閉塞丘と三角末端面が見られました.

閉塞丘は,下図の「I」で,三角末端面は,下図の「B」のことです.
(「建設技術者のための地形図読図入門」第4巻より引用)

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下図で,黄色い矢印が閉塞丘で,赤い矢印の先が三角末端面です.
図は,加子母総合事務所から見える景色(上),立体地形図(中),立体CS図(下)となっています.

(クリックで拡大します)

地形図で見てみると下記の様になります.

(クリックで拡大します)

尾根が連続せずに分離している様子と,尾根の末端が三角形のようになっている様子が分かります.
また,三角末端面の斜面と平坦地の境界が直線上になっているのが分かります.

「図19.2.23」では1枚(または条)の断層で閉塞丘と三角末端面を形成していますが,ここでは,「閉塞丘を形成する断層」と「三角末端面を形成する断層」の2枚(または条)の断層で地形が形成されています.
ただ,三角末端面を形成する断層は確認されておらず「推定断層」とされているようです.

長くなりそうですので,現地見学の様子の記事は,ここで一旦区切ります..
(安江准教授より,断層の数え方は「本」より「枚」または「条」が良い,とご指摘いただきましたので修正いたしました.2020/12/23)