一富士二鷹三茄子のいわれ(2019年1月28日)

さて,早いもので2019年も最初の月が終わろうとしています.
ホームページでの年始の挨拶に「一富士二鷹三茄子」の画像を掲載いたしましたが,そのいわれについてご紹介いたします.
初夢に見るものの中で、縁起のよいとされているものを順に挙げた句で,駿河国(今の静岡市)で高いものから順に並べたもののようです(諸説あるようです).

1番目は日本一高い富士山
2番目は愛鷹山(あしたかやま)
3番目は三保半島の初ナス(丸い折戸ナス)

ここで,「愛鷹山って??」となって少し調べてみました.
愛鷹山は,静岡県の東部にある第四紀の成層火山で,富士山の南隣に位置します.
およそ40万年前に箱根火山や小御岳火山とともに噴火を始め,10万年前に黒岳溶岩ドームと火砕流を噴出したのを最後に火山活動を終えました.
山体はフォッサマグナ地域に含まれ,富士山と同じく,フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界付近に位置します.位牌岳の西側に火口があったと考えられていますが,活動の終息から長期間が経過し,開析が進んでいるため明瞭な火口地形は残っていません.
山体の北側が,後からの火山活動で成長した富士山のすそ野に取り込まれている(Wikipediaより).

産業技術総合研究所のシームレス地質図で見るとこんな感じです.

(産業技術総合研究所のHPより)

愛鷹山:中期更新世の非アルカリ苦鉄質火山岩類
富士山:完新世の非アルカリ苦鉄質火山岩類

分布を見ると,愛鷹山の周囲を取り囲むように,富士山から噴出された火山岩類が堆積しているのが分かります.この分布からも,富士山の噴出前にはすでに愛鷹山は存在していたことが推測できると思います.