【結果報告】平成29年度(2017)応用地質学講座

開催日時:平成29年6月16日(金)10:00~17:00
場 所:名古屋大学博物館 講義室
講座名:応用地形判読講習会(座学および実体視鏡での観察)
講 師:梅本和裕(中部支部,国際航業(株))
    小野田 敏(本部・応用地形研究部会,アジア航測(株))
    小林 浩(本部・応用地形研究部会,朝日航洋(株))
    永田秀尚(中部支部・応用地形研究部会,(有)風水土)
CPDH:5.0
参加者:会員40名

今年度は,初心者向けの地形判読技術の講習を行いました。
地形判読技術は,地形図を読図することで地面の下の情報を推測することができるというものです。
近年は「応用地形判読士」資格の設立など,その重要性を再認識する動きが高まってきているようです。
ですが,業務として地形判読を行うことが少なく,また地形判読技術者も少ないために,学ぶ機会の少ない若手技術者の育成ということで,今回の講習の題目といたしました。
講習会参加の募集を開始してから10日ほどで定員に達したことからも,注目の高さがうかがえました。
今回は地形判読に長けた講師陣のもと,実技を取り入れた講習を行いましたので,その様子を紹介いたします。

【本日のスケジュール】
10:00 ~ 10:20 はじめに
10:20 ~ 12:00 2.5万分の1地形図の判読
12:00 ~ 13:00 昼休み
13:00 ~ 14:55 空中写真判読
14:55 ~ 15:05 休憩
15:10 ~ 16:40 高精度地形図の判読
16:00 ~ 17:00 まとめ・質疑応答
17:30 ~ 交流会

吉田支部長の挨拶で開会です。

2.5万分の1地形図の判読です。まずは講義を受けていただきました。

講義の後,実際に地形図の読図を行っていただきました。
実技中は講師の方が巡回し,疑問点などがすぐに質問できる状況で行っていただきました。。
(個人的には,このように恵まれた環境で地形判読が学べる参加者の方々が大変羨ましかったです!)

お昼休み後は,空中写真判読の講義と実技でした。
空中写真判読は,裸眼での立体視ができるかなどでグループ分けをし,各々のレベルが近い方々で実技を行って頂きました。

空中写真は,立体視をするときに並べる方向や向きがあるという基本的なことも学んで頂きました。

さて,本日の最終講義は「高精度地形図の判読」です。
昨今,航測会社さんが「いかに見やすい地形図を作るか」ということに注力して頂いております。
そのおかげで,様々な地形を読み取りやすい地図ができてきており,その中の一つを用いて講義を行って頂きました。

地形判読に関する基本的な講義と実技をおこなっていただき,あっという間に終了の時間となりました。
中には,実技の時間が物足りなくて二日間やっていただきたいとの声もあり,企画・運営側としては大変嬉しいお言葉であったとともに,裏を返せば時間が足りなかったのかな,と反省いたしました。

参加してくださった方々にはお礼を申し上げるとともに,是非とも今後の業務に活かして頂けるようお祈りいたします。

また,お忙しい中,講習会の資料を準備し,講師を引き受けてくださった講師の先生方には厚くお礼申し上げます。

加えて,会場の手配,実体視鏡の準備等々に奔走して頂いた中部支部役員の方々,本当にお疲れ様でした。

さて,こういった講義の場ではどうも質問しにくい,もう少し講師の方にお話を伺いたい,という事もあるかと思い,今回は懇親会を開催することにいたしましたので,その様子もお知らせいたします。

吉田支部長に乾杯の音頭を取って頂きました。
たくさんの若手技術者に参加して頂き,本当にありがとうございました。

さて,お気づきの方もおられるかもしれませんが,懇親会の会場や講義室の壁には何枚かのポスターが掲示されています。
これらは講師の方々が学会発表されたポスターや,地形に関する最近のポスターです。

懇親会では,このポスターの解説や議論をしていただき,さらに地形に関する知識を習得できるようにしてみました。

実は,このポスターで取り上げられている場所(地形)は,本日の講習会の題材として取り上げられたものもあり,基本から最新の研究結果まで学べるようになっていたんです。(工夫して頂いた講師の先生,ありがとうございました!)

このように,1日という短い時間ではありましたが,受講者の方々には内容の濃い1日になれば,と思い準備いたしました。
今後は,アンケート結果などをふまえ,より魅力的な講座にしていきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。

【アンケート結果】(6/24追記)

講習会の参加者に記入して頂いたアンケート結果の一部を掲載いたします。

おおむね好評という結果になりましたが,「もう少し時間が欲しかった」などのご意見もあり,今後の企画に反映させていきたいと思います。
アンケートにご協力頂きまして,ありがとうございました。

2017年06月18日 (Y.H)