【結果報告 その2】 令和2年度(2020)応用地質学講座(阿寺断層巡検)

令和2年の応用地質学講座は,阿寺断層の巡検を行いました。
当日の様子(その2)をお知らせいたします。
(その1),はこちらをクリックしてください.ここでは,当日に見学したうちの岐阜県中津川市「加子母の大杉」近くにある断層崖を紹介します.
(緯度経度を載せておきますので,興味のある方は検索してみてください.
北緯35°45′16.1″、 東経137°20′00.3″)

見学した場所は,下図中央の●印付近です.
ここには「等高線が密」になっている場所があり,これが断層崖になっています.

下の写真の中央に断層崖があり,これが地形図(上図)で「等高線が密」になっている箇所です.
写真左下の田んぼと写真中央付近の家が建っている場所の間に標高差があるのが分かりますね.

ここでは,安江先生が地元の小学生と一緒に作った断層の案内看板がありました.
ちなみに,あえて立派な(壊れない)看板にしなかったのは,看板の補修や作り直しを必要とすることで,次世代に断層の情報を継承していくことがねらいだそうです.

さて,この崖(標高差)だけで断層と判断できるのか?
というのは難しいところだと思いますので,周辺の地形図,CS立体図を掲載しておきます.

上段図:黒矢印線が断層のある場所です.赤丸印に断層鞍部(こちらを参照
(「建設技術者のための地形図読図入門」第4巻より引用))があるのが分かります.
    また,図の中央やや左にある谷(青線)が屈曲しているのが分かりますね
中断図:地形図をCS立体図にしたものです
下断図:何も書き加えてませんので地形判読してみてください

鳥瞰図で見てみると以下の様になります.

いかがでしょうか?
実際の露頭での観察,地形図,立体図,鳥瞰図で断層地形をイメージでつながりましたでしょうか?
断層調査は地形の情報も大切ですので,現地調査に加え机上調査も必要となります.

断層崖とその周辺の地形を紹介してみました.
次回は,断層露頭についてご紹介いたします.